【社説】韓国与党大統領候補のバラマキ、国をさらに苦しくさせる
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.03 14:58
韓国与党「共に民主党」大統領候補が公式出馬する前から、有権者に取り入る得票戦略としてバラマキ福祉政策を競争的に出している。丁世均(チョン・セギュン)前首相は先月29日、光州(クァンジュ)で青年に1億ウォン(約980万円)を支援しようという破格的な案を提示した。出生時から国家が20年間資金を積み立てて社会人になった時に1億ウォンを支援するやり方だ。名称は「未来の種通帳制度」という。両親から受け継ぐ資産のない青年たちのために国家が直接資産を形成して渡すという「社会的相続」という概念を掲げ、一見すると非常にそれらしくみえる。不平等問題の解決を喫緊の課題に挙げてきたフランスの学者トマ・ピケティ氏の「基本資産」からアイデアを得たという。
だが、どこの国にも採択されたことがない机上の空論だ。富の両極化は当然解消しなければならないが現実性がないためだ。現政権の所得主導成長も国際労働機関(ILO)からアイデアを取ってきたが、脆弱階層の所得と貧富格差だけを悪化させた最悪の政策実験であることが判明した。われわれがその前轍を再び踏むことはできない。
バラマキ福祉競争に燃料を入れて火をつけた李在明(イ・ジェミョン)京畿(キョンギ)知事は毎月20万ウォンから始まって50万ウォンに増やしていく全国民基本所得を提案している。李洛淵(イ・ナギョン)前民主党代表は新福祉構想を打ち出した。所得・住居・教育など8大生活領域で適正水準を達成する政策だ。