【コラム】ミナリ、少数者の感情、人種差別
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2021.04.18 13:20
移民の国米国はやはりいろいろと問題も多い。一方ではマイノリティを対象に憎悪犯罪性の銃撃事件が発生するかと思えば別の一方では文化的多様性が爆発する様相だ。
この爆発に韓国が一役買っている。1週間後のアカデミー賞授賞式で韓国人のだれもが善戦を祈る映画『ミナリ』の話だ。簡単な検索だけで「アジアンアメリカン」に気を遣う米映画産業界のトレンドを確認できる。韓国系米国人スティーヴン・ユァンがアジア系米国人としては初めて主演男優賞候補に上がった。助演女優賞候補にノミネートされたユン・ヨジョンは言うまでもない。韓国系であるリー・アイザック・チョン監督が監督賞、やはり韓国系の製作者クリスティーナ・オーが作品賞を狙う。
韓国系の活躍は活字の領域でも見つけられる。プリンストン大学で文芸創作を教えるイ・チャンレが注目されたのはずいぶん前だ。やはり韓国系であるイ・ミンジンは長編『パチンコ』がネットフリックスでドラマ化され評価が大きく上昇した感じだ。最近では米国で生まれ育った韓国系詩人のキャシー・パク・ホン(45)が加わった。昨年出版した自伝的散文集『Minor Feelings:An Asian American Reckoning(「少数者の感情」とでも翻訳するのはどうだろうか)』が全米図書批評家協会賞(NBCCA)の回顧録分野受賞作に先月選ばれてだ。1974年に制定された賞は600人ほどの文学評論家、各種メディアの出版担当エディターが参加する。米国の代表的な現代小説家フィリップ・ロス(2018年没)、昨年のノーベル文学賞受賞者である女性詩人ルイーズ・グリュックがこの賞を贈られている。