【社説】ワクチンと防疫の混乱が深刻、大統領が乗り出さなくては=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2021.04.11 11:59
新型コロナウイルスの第4波が事実上始まったというタイミングで韓国政府の防疫対策とワクチン政策が同時に道を見失った。第3波よりはるかに大きな波がくるというのに迅速で果敢な社会的距離確保措置を出すこともせず、「ピンセット防疫」にとどまっている。同時にアストラゼネカ製ワクチンの接種をめぐり混乱が大きくなり、ワクチンに対する不信も危険水位だ。
防疫とワクチンは新型コロナウイルス克服の二頭立て馬車の役割をすべきなのにいまは2つとも脱線する危機だ。まず当局の防疫政策を見ればいったい基準が何なのか疑問だ。韓国政府は11日に終了予定だった現行の社会的距離確保(首都圏2段階、非首都圏1.5段階)と全国での5人以上の私的会合禁止措置を来月2日まで3週間延長するときのう発表した。首都圏のカラオケ、ジム、食堂・カフェなどの営業時間制限は当分現行通り午後10時までで維持することにした。
これに対して防疫専門家らは昨年末に始まった第3波当時の防疫失敗を踏襲する恐れがあると警告する。当時韓国政府は社会的距離確保段階を引き上げず一部施設に集中する「ピンセット防疫」に固執し拡散を拡大した。専門家らは「感染者400~500人以上なら2.5段階に引き上げるのが正しい」として自ら作った防疫基準を破る政府を叱責している。