【コラム】韓国は日本の少産多死の後を追い、中国は金持ちになれないまま老いていく(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.04.09 11:03
「晩・少・稀」は1979年本格化した中国の一人っ子政策時代のキーワードだ。遅く結婚して遅く産み(晩婚・晩産)、少なく産んで(少産)、子女の年の差を3~4年にする(稀)人口抑制策だ。反人権的産児制限は人口爆発がもたらした食糧難を克服するための苦肉の策だった。78年、当時社会科学院の胡喬木院長は「77年国民1人あたりの平均食糧は55年水準しかならない」と言った。
トウ小平の改革・開放と軌跡を共にする一人っ子政策は今に大きな後遺症を残している。生産可能人口(15~64歳)が2015年10億2100万人(以下、国連人口展望2019改訂版)をピークに減少傾向に転じた。共産党は2016年から全面的に二人っ子政策を打ち出したが、2015~20年平均合計特殊出生率(女性1人が生涯で産む子どもの数)は1.69人で、2010~15年(1.64人)とほぼ変わらない。ここに62年から始まったベビーブーム世代退職者が来年から急増する。約9億人の16~59歳人口が2035年までに1億人減るという分析が出てきた。生産可能人口の減少と高齢化は中国にとって前例のない挑戦だ。「世界の工場」を支えていた労働力と社会保障が非常事態に陥った。金持ちになる前に老いる(未富先老)という80年代中国人口学者の警告が現実になるかもしれない。人口動態は米中覇権競争時代に隠された中国のアキレス腱だ。