【コラム】真朴鑑別師と親文候補論=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.04.07 16:00
安養(アンヤン)刑務所に収監中の李明博(イ・ミョンバク)元大統領の近況を聞いた。精神的に安定しないのは当然だが、最近は健康も良くないという。食事が口に合わないのか体重が減って全身がやせたが、顔だけがむくむ症状のため病院の治療を受けている。腎臓の機能に問題があると予想される状況だ。ところが刑務所と外部の病院を行き来する状況と治療に不便な点が多いという。診察を受けてから1カ月以上も待ってこそ関連の検査を受けることができる日程のため、まだ病名も特定できていないという話も聞こえる。側近は「過去とは違い病院側が李元大統領の事情を少しも配慮しないため、高齢の元大統領はかなり苦しんでいる」と伝えた。政権を意識するしかなく、誰にも特恵なく原則を守らなければいけない病院の立場も理解できる。礼遇をすべて剥奪された80歳の元大統領の事情まで考慮するのは容易でないだろう。
しかし同じ現実で180度異なる問題もあった。野党議員は大統領の孫の病院特恵診療疑惑を提起し、大統領の娘はこの議員を告訴した。大統領の孫に対する病院側の特恵はなかったと信じるが、こうした問題を眺めながら李元大統領は自身の状況を強く実感したはずだ。「権力無償」という表現だけでは十分でない、非情で残忍な権力の属性のことだ。