【コラム】「許京寧世代」の悲哀=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.04.05 13:43
1/2
4.7ソウル市長補欠選挙の公式選挙運動が始まった先月25日、ソウル鍾路区恵化洞(ヘファドン)に共に民主党の朴映宣(パク・ヨンソン)候補と国民の力の呉世勲(オ・セフン)候補の横断幕が並んでいる。 イム・ヒョンドン記者
「Z世代」は1990年代半ばから2000年代初期の間に生まれた。直前の「ミレニアル世代」がアナログとデジタルを行き来したとすれば、Z世代はデジタルで世の中と接触してきた。Z世代は政治的には「許京寧(ホ・ギョンヨン)世代」と呼ぶことができる。Z世代が小中学校に通っていた2007年の大統領選挙に許京寧候補が出馬した。投票権がなく政治家に目も向けなかった子どもたちに空中浮揚と縮地法に優れているという候補は不思議に見えた。彼のロゴソングを一緒に歌う子どもたちに選挙は遊びとして近づいた。
許候補はZ世代の親の「86世代」との懸け橋の役割もした。親の世代が学生時代に何度も聴いた「セマウルの歌」(作詞・作曲朴正熙)の曲に合わせ、子どもの声で再生された。歌詞は「出産すれば3000万ウォン(約294万円)」に変わったが、アナログの親とデジタルの子の間に共感が形成された。許候補の電話番号は学生の間で共有され、いたずら好きな子は実際に番号をかけた。ある中学生は友人と一緒にいる席で許候補に「勉強ができるようになるためにはどうすればいいのですか」と尋ねた。許候補の返答は「許京寧を3度呼べばよい」というものだった。予習・復習を徹底的にするというような聞き飽きた方法とは完全に差別化された処方は、政治家も人を笑わせるという体験を提供した。