【社説】韓国外交部長官の危険な「綱渡り外交」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.04.02 10:51
鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官が2日、中国を訪問して王毅外交部長と韓中外相会談を行う。歴代外交部長官はほぼ就任後米国訪問を高官級外交の出発点にしてきた。前任の康京和(カン・ギョンファ)長官とその前任である尹炳世(ユン・ビョンセ)長官も就任1カ月で米国を訪問した。ところが、鄭長官だけが2月就任以降初めての海外対面外交の日程を中国行きに決めたわけだ。現政権の長官級高官が新型コロナで海外訪問を自粛している現実から、鄭長官は中国をとりわけ格別に考えているという指摘を受けるのに十分だ。
韓中外相会談は日程も韓日米安保室長会議(2日)と重なる。韓日米安保室長会議は米中葛藤の中で中朝が構築した反米連携を破るための共同の戦略導出が核心だ。場所も米国メリーランド州海軍士官学校に決め、韓日米協力を米国の「インド・太平洋戦略」に結び付けようとする趣旨を明確にした。
ところで、韓国外交部首長はなぜこの時点に専用機で中国に飛んでいって「緊密な韓中関係」を誇示する姿を演出するのか。中国が鄭長官を招いた場所も米中間に戦雲が漂う台湾の目の前の福建省厦門だ。米中競争で中国の味方になるように露骨な圧力に出たわけだ。それでも鄭長官が素直に厦門行きに同意したことをみると、朝鮮時代の「事大外交」が再演されたのではないかと疑われるほどだ。鄭長官は「偶然な一致」といったが、そのような合理性に乏しい弁解は疑惑をあおるだけだ。