文在寅（ムン・ジェイン）大統領は３０日、「韓国経済が速く強く回復している」とし、「この傾向をさらに生かし、景気回復の時刻表を最大限繰り上げ、不平等を最小限にする包容的回復に心血を傾ける」と述べた。

文大統領は同日、青瓦台（チョンワデ、韓国大統領府）で主宰した国務会議で「複数の国際機関がことしの韓国の経済成長率を繰り返し上方修正している中、ＩＭＦ（国際通貨基金）も当初の見通しより成長率を０．５％引き上げ、３．６％成長すると予想した」とし、「輸出・投資・消費心理指数もコロナ前の水準に回復している」と述べた。

◆「第４次支援金支給の加速」求める

文大統領は特に「今回の補正予算も包容的回復に役立つだろう」とし、「自営業者のための支え資金プラスや雇用を守るための緊急雇用安定助成金など第４次災害支援金が一刻も速く支給されることができるよう加速し、新たに追加された農漁民への支援も迅速に執行されるように格別の努力を傾けてほしい」と求めた。

また、「依然としてコロナ状況は安心することができない。今では防疫がすなわち経済にならざるを得ない状況のため、より徹底した防疫管理に邁進していただきたい」とし、「４月から一般国民へのワクチン接種も始まるため、公正に接種順序を入念に定め、速度を上げるとう願う」と付け加えた。

一方、閣議で法定最高金利を現行の２４％から２０％に引き下げる内容の「消費者金融などの登録や金融利用者保護に関する法律」（貸付業法）、「利子制限法」関連の大統領令改正案を議決したことについて、「２０８万人に及ぶ高金利債務者の利子負担が減るだろう」とし、「国民との約束を守ることができ、非常に嬉しい」と述べた。

文大統領は「韓国政府の最高金利を２７．９％から２４％に引き下げたのに続き、今回更に引き下げた」とし、「遡及適用はされないため、今回の措置の恩恵を受けにくい方のために、２０％未満の金利で３０００億ウォン（約２９０億円）を支援し、ヘッサル（陽光）ローン金利も１７．９％から１５．９％に下げる」と後続措置を紹介した。

◆「コロナ下で成し遂げた成果」…不動産には言及せず

文大統領は「庶民金融の拡大で２０１７年末には９３万人以上だった債務不履行者が先月８０万人に減少した。コロナの状況下で成し遂げた成果」とし、「金融が庶民の生活を守る役割を果たした」と評価した。

また、「過去１年間、危機的状況を支えるため、金融の役割が非常に大きかった。金融界に感謝する」とし、「今後も金融が苦しい国民にとってセーフティネットになれるように包容金融の裾野をさらに広げるために最善を尽くしていただきたい」と付け加えた。

一方、韓国土地住宅公社（ＬＨ）、従業員の投機疑惑をはじめとする不動産問題には閣議の冒頭発言で言及しなかった。