【コラム】被害者らしさなどない=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.03.29 15:40
朴柱民(パク・ジュミン)共に民主党議員は、ストーカー犯罪の被害者だった。被害を受けながらも旺盛な議員活動を行ったが、内心はひどく苦しんでいた。朴議員の告訴代理人を務めたヤン・ホンソク弁護士は「国会議員の身分のため、告訴しないつもりだったが、苦痛が甚大で仕方なかった」と述べた。朴議員は15日、ストーカー処罰法の通過を求め、「パニック状態に陥りそうになった」記憶を公開した。自ら明かさなければ誰も知らなかった事実だ。朴議員の夫人のように振る舞っていた加害者は罰金刑を受けた。ストーカー処罰法は議論から22年を経て、24日に国会を通過した。
朴議員は、ストーカー犯罪被害者の典型を外れたケースだ。ストーカー被害は男性より女性が、力のある者より力のない者が受ける。国会議事録を見ると、「ストーキング・デート暴力犯罪で殺害や殺害未遂被害を受けた女性が昨年だけで31人〔宋敏憲(ソン・ミンホン)警察庁次長〕」と記録されている。朴議員のように、加害者の接近を妨げることのできる8人の補佐がいる犠牲者は稀だ。朴議員は、いわゆる「被害者らしさ」とは距離が遠く見えるかもしれない。だからといって朴議員に「単なる被害者アピール」と言う与党議員はいない。加害者がいて、言葉にできない苦しみが存在したため、朴議員は厳然たる被害者だ。