コロナ・福祉に大規模支出…韓国与党、結局は「増税論」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.02.25 14:03
韓国で国家債務の急増に対する憂慮が深まる中、与党から「増税論」が出ている。高い福祉水準、少ない国家債務、低い租税負担という3つの目標を同時に達成できない、いわゆる「財政トリレンマ」(Fiscal Trilemma)に直面しているからだ。
企画財政部と与党・共に民主党によると、重鎮の李相ミン(イ・サンミン)民主党議員は新型コロナ事態のような危機状況で、高所得者・大企業の所得・法人税率を一時的に引き上げる法案を近く発議する予定だ。李議員は「最近、新型コロナ被害支援予算を国債の発行で調達しているが、国債の発行は持続可能でなく、未来の世代に負担を転嫁する反道徳的な方式」と述べた。
与党圏議員の研究会「基本所得研究フォーラム」が23日に開催した討論会でも増税の話が出てきた。ユ・ジョンソン嘉泉大教授は「基本所得は富裕層増税だけでは難しい。普遍増税をするべき」とし、すべての所得源泉に5%の定率課税を骨子とする基本所得税の新設を提案した。このほか、「経済協力開発機構(OECD)の半分に過ぎない福祉を増税を通じて拡大すべき」(李在明京畿道知事)、「租税負担率をOECD水準まで引き上げ、大胆に支援し、大胆に租税で回復する体制が正直なアプローチ」(尹厚徳国会企画財政委員長)、「付加価値税を1-2%引き上げて損失補償基金を調達すべき」(李元旭民主党議員)など、この1カ月間に増税アイデアが与党から次々と出ている。李洛淵(イ・ナギョン)民主党代表は租税抵抗が少ない租税特例を減らすことから始めるべきだと主張した。明示的な増税ではないが、税制優遇が減るため「事実上の増税」と受け止められる。これは新型コロナ事態への対応と福祉の拡大が重なり、政府の支出がが増えるしかないからだ。しかし開いた穴を埋める財源を確保する案は見えない。韓国財政学会、K-政策プラットホームなどで経済学者らはこれを「財政トリレンマ」という概念で説明する。