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【社説】文大統領「全国民慰労金」、選挙用ではないのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.02.22 14:09
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文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「全国民慰労支援金」発言をめぐって韓国政界では議論が広がっている。与党「共に民主党」からは「党指導部のコロナ鎮静時の景気と消費振興用支援金の建議に対する全幅的な受容」との歓声が湧き上がった。だが、野党「国民の力」からは「国民の血税で全国民を子供を扱うように愚弄している」という批判が噴出した。劉承ミン(ユ・スンミン)元議員が「自分が出した税金で自分を慰めるのはおかしくないか。選挙控えた買票行為だ」と猛非難すると、京畿道(キョンギド)の李在明(イ・ジェミョン)知事は「国民を『金をばら撒けば票をくれる』原始有権者と冒とくした」と切り返した。文大統領は民主党指導部の招待懇談会で「全国民が頑張ろうと意欲の出るような次元の支援金を強調した」で青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官は伝えた。

党・政府・青瓦台が第4次災難支援金支給議論をする中で出てきた「第5次支援金」の予告だ。第4次支援金でさえ「選別支給」の原則が決まっただけで支給の規模や時期はまだ確定していない。そのうえ政府は昨年20兆ウォン(約1兆9100億円)以上の災難支援金を市中に流したが、効果は思わしくなかった。下位20%の勤労所得は減ったが上位20%は増えて階層間の格差が深まった。後先を考えない現金散布で国の暮らしは悪化の一途だ。国家債務は今年中に1000兆ウォンを超過することが確実視されている。災難支援金は誰彼構わずばらまくのではなく、社会的距離の確保で被害を受けた自営業者や小商工人、低所得層に集中支援するのが正しい。

 
それでも「全国民慰労支援金」なので選挙用だという批判が出ている。そうでなくても加徳島(カドクド)新空港特別法が国会常任委を通過して2月臨時国会の会期内に処理される予定で、与党指導部は災難支援金支給関連の発言を一日も欠かさず口にしている状況だ。すべて選挙がなければ起こりようがないことばかりだ。有権者の心を刺激しなければならない政治と国会はそうだとしても、国家経営の最終責任者である大統領が国民の税金を充てなければならない災難支援金を選挙用カードとして差し出す流れに加わるのは無責任だ。第4次支援金だけでも今年の赤字国債発行額は100兆ウォンをはるかに超えることになる。このような形で借金を大きくすれば、一体この後の処理は誰がどうするということなのか。

与党は昨年の総選挙で「全国民災難支援金」カードで味をしめた。総選挙を10日後に控えて李海チャン(イ・ヘチャン)当時民主党代表は「4人世帯あたり100万ウォンを一括支給する」と約束した。選挙の現場では「野党が勝てばお金は出ない」という傘連判状が出回った。今回のソウル・釜山(プサン)市長補欠選挙を控えても類似の形を見せていて、選挙公正性を害しているという批判が出ている。このような渦中に、大統領まで「歴代で最も良い成果を出した党・政府・青瓦台」と自賛して「全国民慰労支援金」を取り上げるのは不適切だ。そのような時ではない。手綱が緩んだ国の財政正常化を強調しなければならない時だ。

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