【取材日記】国の借金が1000兆ウォンなのに国民慰労金?=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.02.22 13:28
「新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)から抜け出す状況になれば、国民慰労支援金、国民の士気高揚用の支援金支給を検討できる」という文在寅(ムン・ジェイン)大統領の19日の発言が純粋な慰労には聞こえなかったようだ。「大統領個人のお金だったら、このように気前よく使うことができるだろうか。自分が出した税金で自分を慰労するというのは、少しおかしくないか」〔劉承ミン(ユ・スンミン)前未来統合党議員〕、「血のような税金を最大限惜しんで効果の高いところに使い、国民がもともとその金を使った時よりも効果が高くならなければならない」〔尹喜淑(ユン・ヒスク)国民の力議員〕、「『耳を掩いて鐘を盗む』式の買票用財政政策になるおそれがある」(正しい社会市民会議)など、週末の間中、至るところから指摘が相次いだ。
これは慰労金が「慰労の要件」を備えていないからだ。まず、何によって慰労するのかという問題だ。新型コロナに対応するために「非常用資金」性格の目的予備費までかき集めて使った。国家の蔵に余裕があるわけではない。檀国(タングク)大学経済学科のキム・テギ教授は「文在寅政府発足当時、660兆ウォン(現レートで63兆円)だった国家債務は、今年1000兆ウォンを超える」としながら「国民にこれでもかと借金を負わせておいて、気前よく施しながら慰めるというのは朝三暮四にすぎない」と突いた。
慰労に言及した時点も不適切だった。新型コロナの終息(集団免疫70%水準)はまだまだ先だ。政府の計画通り、滞りなく全国民の90%がワクチン接種を終えるまで、少なくとも今年11月までは待たなければならない。淑明(スンミョン)女子大学経済学部の申世敦(シン・セドン)教授は「先進国に比べて遅いワクチン接種に対して、多くの指摘が出ている状況」としながら「来年になってこそ可能な日常生活の復帰をずっと後に控えて、後手に回ったワクチン接種に対する謝罪もなく、慰労金の支給から言及するのは希望拷問」と指摘した。