【社説】三権分立を毀損して国民をだました韓国大法院長は辞任を
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.02.05 11:52
憲政史上初めての裁判官弾劾訴追に関連し、昨日公開された金命洙(キム・ミョンス)大法院(最高裁)長の音声は耳を疑わせる。昨年5月に辞表を受理してほしいとして訪ねた林成根(イム・ソングン)釜山高裁部長判事に対し、金大法院長が「政治的な状況を眺めて…」と話したのは、司法府の独立性を自ら否定する行為だ。大法院長が与党を意識しながら「弾劾しようとあれほど騒いでいるのに私が辞表を受理したといえば、国会からどんな声を聞くだろうか」と話す国は、三権分立が尊重される民主主義国家ではない。「大法院長の資質が全くないことを自身の言葉で立証した」という元老憲法学者のホ・ヨン慶煕大客員教授の診断に、韓国司法府の恥ずかしい実情が凝縮されている。
金大法院長が国民と国会を相手にした嘘の答弁はさらに深刻だ。金大法院長は林部長判事の「弾劾発言」暴露が出てきた直後、「そのような事実はない」と否認した。しかし自身の肉声が公開されると、「9カ月前のあいまいな記憶に依存して違う答弁をしたこと申し訳なく思う」と言葉を変えた。しかし発言内容を見ると、思い出せなかったという釈明には説得力がない。メディアを通じて公開された録音内容で、金大法院長は「弾劾」という言葉を少なくとも6回は口にした。「政治」「国会」という言葉まで合わせると10回を超える。たまたま言及したのではなく、林部長判事の辞表を受理しない理由を体系的に説明した。わずか9カ月前の異例の事件を完全に違う形で記憶するはずがない。