【社説】半導体と韓国経済の危機を呼んだサムスン指令塔の拘束
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.01.20 09:48
英有力紙フィナンシャル・タイムズがサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の拘束に対し深い懸念を示した。第4次産業革命の生き残りを賭けた競争の渦中で李副会長が再び収監されたのはサムスンの人工知能や自動運転車のような先端技術ドライブにブレーキをかけかねないとしながらだ。これまで韓国の大企業を財閥と称し不透明な支配構造を批判してきた同紙が専門家の意見を借りてこうした懸念を表明したのは異例だ。それだけ李副会長の拘束は波紋が大きいという意味だ。
もちろん司法の判断は尊重されなければならない。元大統領2人が収監されており、深刻な外交的議論にも日帝強制徴用労働者と慰安婦に対する損害賠償判決が下されたのは法のものさしでは避けられないことだった。今回のことを契機に企業を食い物にして国政に介入する不幸な事態も再び起きてはならない。
現実は暗鬱だ。サムスンという企業を超え国益の損失も莫大になっているためだ。何よりサムスンはいま一瞬も停滞する余裕がない非常状況だ。銃声のない第4次産業革命の勝負所に浮上した半導体から人工知能や自動運転車部品まで、1位だけが生き残れる火花散る競争の頂点で一瞬も隙があってはならないリーダーシップに空白が生じた。大企業は組織力が堅固で特に問題はないと考えるのは冷厳な現実をよく知らないでする話だ。