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【コラム】進歩と保守を兼備する科学の知恵=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.01.18 13:02
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最近、韓国の政界に対する人々の信頼感は大きく落ちているようだ。それとは対照的に科学に対しては基本的な信頼が維持されている。最近、現代科学の原産地である西洋では科学不信風潮も表れているが、少なくとも韓国ではそうでない。科学者がコロナウイルスについて話せば大抵はその言葉を信じ、ワクチンが開発されたといえば大半が接種を望み、政府がその物量を迅速に確保できない点を叱責する。

我々がこのように科学知識を尊重するのなら、科学がどのように立派な知識を算出するかを理解する必要がある。また、その科学的な方式がどの点で政界の形態と異なるかを考えてみることも意味があるだろう。

 
他国でもそうだが、特に韓国では政治を進歩対保守の二分法で考え、そこに基づいて相互敵対的な枠を組む。それをまた左翼対右翼という二分法と重ねながら、さらに激しく争う。保守と進歩は実際、科学でも重要な問題になる。個々人の科学者が新しい科学理論や観測結果を受け入れるうえで、保守的または進歩的な傾向を見せることがある。しかし科学者の社会では進歩対保守に分かれて非生産的な闘争をしない。実際、科学の知恵は保守と進歩を兼備するところにある。

その知恵を学ぶには、保守と進歩が当然相反するという基本的な概念から崩さなければいけない。筆者は政治家でもなく政治学者でもないが、常識的に見ると、保守は現存する良いものをずっと維持しようということであり、進歩は現在の良くない部分を改善しようということだ。なら、進歩と保守が根本的に相反する理由は全くない。よく誤解される部分は、自分たちの既得権を手段と方法を問わず利己的に守護することを保守と考えることだ。端的な例として、現在、米国で自称保守陣営の人たちがトランプ政権を維持するため、世界的に称賛された米国の200年以上の民主主義伝統をむやみに崩そうとするのを見れば分かる。これは真の保守とは正反対の行為だ。バイデン氏の当選の承認を拒否する暴徒が連邦議会議事堂に入って暴れるのをみて、その衝撃から共和党内でも真の保守陣営とトランプ大統領を崇拝する陣営の区分がある程度表れるようだ。また、こうした事態を糾弾しながら、多くの保守陣営と進歩陣営の人たちが声を合わせている。

ただ、各個人が良いと考えることがそれぞれ異なるため、もちろん葛藤が生じる。しかしそれは保守や進歩を教条的に主張しても解消されない。みんなが進歩を叫ぶといっても実際に望む進歩の方向はそれぞれ異なることが多い。例えば、ある人たちは労働者のためであることが最も進歩的だと考え、ある人たちは性少数者を保護することが最も重要だと主張する。こうした葛藤を解消することが水準の高い政治活動だ。お互い説得し、折衝し、譲歩し、必要な時は妥協もする。ある場合には互いに干渉せず、それぞれが忠実に生きることにして争いを終える。

一見、科学は常に進歩的に見える。科学者は終わることなく新しい知識を追求するためだ。新しい観察と実験をしながら新しい理論を作り出す。我々が毎年話題にするノーベル賞を含め、科学界で最も高い評価は、何か新しいものを作り出した人たちに与えられる。しかし日々の科学者の姿を見ると、非常に保守的な傾向が強い。正統派理論や方法論に従わない人たちは、宗教で異端を制裁するのに劣らず激しい排斥を受ける。科学を少し勉強した人はよく知っているだろうが、科学教育は自由な探求よりも枠にはめていく訓練の過程だ。学業を終えて実際に研究をする時も、自分勝手に創造力を発揮するのではなく、受け継いだ基礎理論と方法論に厳格に従いながら探求する。「パラダイム」という言葉を流行させた科学哲学者トーマス・クーンはこのように強く制限された科学の形態を「正常科学」と呼んだ。科学が正常に行われる時にそうだということであり、パラダイムとはある科学分野で正統と見なされる知識の内容と研究方式をいう言葉だ。そのようなパラダイムが与える非常に窮屈な枠の中で新しい知識を追求することが普通にいう科学だ。

もちろん科学者はそのような枠を破ってしまう大きな創意性を時々発揮したりもする。新しいパラダイムを作り出すことをクーンは「科学革命」と言った。それは科学が真の進歩性向を発揮する瞬間だと理解することができる。しかし多くの人々が誤解している点は、新しいパラダイムが出てきた時、昔のパラダイムは完全に破棄されると考えることだ。これはクーンが過度に単純化して話した部分であり、科学の歴史をのぞいてみればそうでないことがすぐに分かる。代表的な例として20世紀初めに量子力学と相対性理論が出たことで、ニュートンから始まった古典力学は間違っているとして破棄されたと考える。ところが今でも物理学を学ぶすべての学生は古典力学から学ぶ。それが間違った理論なら、なぜ今でも教えるのだろうか。過去に古典力学を使って成果を出したいくつかのことはまだそれでうまくやっているからだ。例えば、火星に宇宙船を送ったりすることは量子力学ではできない。また、現代物理学理論などをよくみると、質量や電荷などの基本的なものから始め、古典力学に由来するいくつかの概念があちこちにまだ残っている。

ある特定の現象をうまく説明する最新理論が出てきたからといって、ほかの理論はすべて捨てるべきだと考えるのは無知だ。一般相対性理論を後押しする観測の結果は最近までわずか3つしかなかったという有名な歴史があり、にもかかわらず多くの物理学者はこれを全宇宙に適用すべき理論として重視した。しかしそうしながらも、実際、ニュートンの重力理論を捨てることはなかった。こうした例は少なくない。マクスウェルの電磁気学公式はまだ常用されていて、メンデレーエフの化学周期表も同じだ。19世紀に原子が本当に存在するかも確実でなかった時代に知った有機化学の分子構造式もまだほとんど保存されていて、量子化学で精密な計算をする時もその基本的な分子構造を前提として入る。今でも学生にその過去のことを必ず教える理由は、そのような理論がまだ有用で意味があり、その適用範囲内では不変の真実を含んでいるからだ。我々が生態系に存在するいくつかの種類の生物を惜しんで保存するように、先祖が確保しておいた古いの科学知識も良い部分は大切に保存する。

保守と進歩を兼備できるようにする基本的な態度は謙虚さだ。我々が優秀だと考えて過去から伝えられてきた貴重な知識や慣習を簡単に排斥してもならず、一方では、我々はすべて知っているという傲慢に陥って新しいものを拒否してもならない。したがって謙虚さは保守の基盤にもなり、進歩の基盤にもなる。

19世紀末の西洋の多くの物理学者は、もう物理学はほぼすべて終わり、今後の進歩はただ詳細に基づきさらに精密な結果を得ることだけだと話していた。しかしわずか数年後、相対性理論と量子力学の誕生という途方もない革命的な変化を迎え、謙虚であるべきことを学んだ。また一方ではその変化を経験し、最新の理論だけではすべてのことができず、古い知識も維持する必要があるというもう一つの謙虚さを学んだ。今でも世の中のすべてのことを説明するただ一つの理論を見いだそうとする科学者がいないわけではないが、歴史的に長く見ると、それは科学の幼年期に覇気を持って抱いた夢だった。その後の数百年間の経験から、科学者はそれぞれ自分の領域で可能なことを最大限改善することに満足する知恵を学んだ。

現在、完ぺきな体制はないと、また完ぺきなものを一日で新しく生み出すこともできないと認める科学の謙虚さは、政治でも生活の一般でも学ぶべき態度だ。

◆チャン・ハソク=英ケンブリッジ大科学史-科学哲学科客員教授。ソウルで高校1年まで過ごした後、米国で勉強し、スタンフォード大学で哲学博士の学位を取得した。科学哲学一般と物理学および化学の歴史に関する研究に集中し、人文学と自然科学の間の交流を推進している。

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