「青瓦台（チョンワデ、韓国大統領府）の内部でも文在寅（ムン・ジェイン）大統領が国民の前に立って説明する機会を持つべきだという意見が少なくない」。

青瓦台のある関係者は、新型コロナの感染が再拡大する中でワクチン確保関連の雑音が出てきた過程を説明し、このように語った。この関係者は「文大統領が出なければ支持率が下落している現状況を突破するのが容易でない」と話した。

これに関連し青瓦台の国民疎通首席秘書官室は、文大統領が放送に出演して新型コロナに関連する批判と疑惑について直接釈明する場を用意することを検討している。「新型コロナ対応」にテーマを限定し、進行者と１対１で対談する形式がまず議論されたという。文大統領は昨年５月にもＫＢＳ（韓国放送公社）に出演し、記者と１対１で対談する形で国政運営構想などについて明らかにした。

時期は年末または新年の記者会見前に計画されているという。準備期間が多くない中で緊急に対談プログラムが企画されたのは、それだけ新型コロナに関する国民の「誤解」が多いと青瓦台が判断したためだと、青瓦台関係者は伝えた。

特に、新型コロナワクチンの確保が遅れたとして「大統領責任論」を指摘する声が高まり、文大統領が国民に直接説明すべきという内部の意見が強まっている状況だ。青瓦台の姜ミン碩（カン・ミンソク）報道官は２２日、４月からの文大統領のワクチン確保注文メッセージを代わりに公開した。しかし野党が「保健福祉部が大統領の指示に集団抗命したということか」と批判するなど、むしろ逆風が浴びることになった。

ただ、青瓦台は２４日現在まで、文大統領が自ら説明する場を用意するかどうかの結論を出していない状態だ。予期せぬ逆効果を招くことも考えられるからだ。放送局との時間協議問題も変数だ。昨年５月の就任２周年対談当時はＫＢＳと単独インタビューをし、他の放送局が不満を表した。

とはいえ、新型コロナに関連して文大統領が国民にメッセージを伝える席は必要だという内部の意見は依然としてあるという。社会的距離３段階が施行される場合、文大統領が自ら国民の苦痛に対する了解を求める形で国民向け談話をすることも青瓦台は検討中だ。

これとは別に、青瓦台では局面を転換するための青瓦台改編が必要だという声も出ている。青瓦台関係者は「内閣改造がすべて終わった後、青瓦台も盧英敏（ノ・ヨンミン）秘書室長らを含めて大規模な改編に踏み切るとみている」と話した。改編の時期は来年１月という見方が多い。

特にワクチン確保過程でリーダーシップ論議を呼んだ盧英敏大統領秘書室長と金尚祖（キム・サンジョ）政策室長が共に交代するという見方もある。盧氏は秘書室長を２年間、金氏は政策室長を１年６カ月間務めている。任鍾ソク（イム・ジョンソク）元秘書室長は１年９カ月、張夏成（チャン・ハソン）前政策室長は１年６カ月で退いた。