【時視各角】遠のいたアジア金融ハブの夢=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.12.02 11:02
最近、グローバル有力紙フィナンシャルタイムズ(FT)のソウル発記事のタイトルが目を引いた。「韓国の私募ファンド産業を揺るがしたスキャンダル」。数行を読んだ後、紙面を隠したくなった。韓国の恥部を赤裸々に表したものであり、国民の一人として恥ずかしかった。昨年から金融事故が続いているが、あえて関心を向けていなかった。金融監督の甘さ、詐欺に近い私募ファンドの暴走、顧客に不良商品を販売する銀行をはじめ、監督機関と金融機関の過ちが明白だった。検察がすぐに真相を明らかにし、投資判断と責任は当事者のものだと考えた。それが投資世界の鉄則であるからだ。
しかし看過している点があった。遠のいたアジア金融ハブの夢だ。韓国は金大中(キム・デジュン)政権当時から北東アジアの物流ハブと金融ハブを目指してきた。30年ほど前の盧泰愚(ノ・テウ)政権で決断した仁川(インチョン)空港はそのような目標の基本インフラだった。外国人が出入りするハブ空港があり、経済規模が世界10位圏に入れば金融ハブに目を向けることも可能だ。残念ながらこの夢はしばらく水の泡となりそうだ。現政権で韓国金融産業の信頼が崩れているからだ。