北朝鮮が公共場所での喫煙を禁止する禁煙法を採択した中で金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長が公式席上でタバコを吸う姿が捉えられた。

朝鮮中央テレビが３０日報じた労働党政治局拡大会議の映像によると、前日会議を主宰した金委員長の左手にはタバコ一本が持たれている。

机にはタバコの箱と灰皿も置かれていて、金委員長が拡大会議の途中に喫煙しているということが分かる。

金委員長が公開された写真、または映像をみると、常にタバコを吸っていたり指にタバコ一本を挟んでいたりする姿が簡単に見られる。金委員長は公式会議はもちろん、住民たちが生活する所を見回す現場視察でもタバコを吸ってきた。

金委員長は２０１９年第２回米朝首脳会談のために専用列車に乗ってベトナムに向かっていたところ、中国南部の南寧駅に降りて続け様にタバコを吸う姿が捉えられるなど時と場所を問わない「愛煙家」として知られている。

だが、彼がタバコを吸う場面が北朝鮮メディアを通じて住民にしばしば露出したため、北朝鮮の喫煙率が上がるという指摘が出たりもした。

北朝鮮は４日最高人民会議常任委員会全員会議で禁煙法を採択した。この法はタバコの生産から販売、喫煙まで統制する内容が盛り込まれ、劇場・映画館など公共場所、子供の保育機関、教育機関、医療・保健施設、奉仕施設、公共輸送手段などに喫煙禁止場所を指定して喫煙秩序を破った際に処罰するように定められている。

官営メディアと対外宣伝メディアなどでも喫煙の有害性を強調するなど禁煙キャンペーンを強調してきたことがある。

しかし、時と場所を問わない金委員長の「タバコ愛」のせいで最近採択された禁煙法と禁煙キャンペーンに効果がないのではないかという指摘もある。