【社説】いったい大統領はどこにいるのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.11.26 10:16
秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官と尹錫ヨル(ユン・ソクヨル)検察総長の葛藤が破局に突き進んだ翌日の25日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はフェイスブック(Facebook)に「女性暴力追放」に関するコメントを載せた。「女性対象の犯罪に断固として対応し、被害者をしっかりと保護する」という内容だった。だが、法務部長官が現職検察総長を職務から排除した憲政史上初めての出来事には何一つ言及しなかった。軍事政権時期にも例がなかった検察総長の職務停止命令だ。
これに関連し、青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官が記者団に送った「文大統領は法務部長官発表直前に関連の報告を受け、それについて別途の言及はなかった」というその前日のSMSの公示がすべてだった。休暇を終えた文大統領は業務に復帰した状態だ。
今の検察総長を任命した人は文大統領だ。任命状を手渡すときは「私たちの総長様」と呼び、「生きている権力を捜査してほしい」と話した。尹総長は先日、国政監査のときに「大統領が『ブレることなく任期を守って任務を全うしてほしい』と伝えた」と明らかにした。大統領の言葉を国会で嘘として伝える検察総長はいないだろう。事実がそうでも、もし懲戒や職務停止の理由があるなら、大統領は国民に「任期2年が保障された検察総長だが、さまざまな間違いがあって解任する」と説明するのが当然ではないか。任期を保障できない理由を明らかにし、政治的な責任も負わなければならない。だが何の言及もない。