【コラム】尋常でない北朝鮮の最高指導者称賛の熱気
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.11.19 17:42
「ワニの涙」は偽りと偽善を隠喩する。エジプトのナイル川のワニが人まで食べながら死んだ人のために涙を流すという古代西洋伝説が由来だ。実際にワニは涙腺とあごのかむ動作を掌握する神経が同一で、えさを食べる時に涙を流すというから科学的根拠がない話ではなさそうだ。
先月北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が見せた涙が話題だ。金日成(キム・イルソン)広場で真夜中に繰り広げられた労働党創建75周年行事の演説で彼は「感謝の涙なしにはいられない」として住民と軍将兵を慰労した。「ありがとう」を連発して演説を継続した金委員長はついに涙を流した。北朝鮮の最高指導者としては破格だ。
きのうの朝平壌(ピョンヤン)で発行された労働新聞はA4用紙10枚分の長い政論を載せた。「人民の声、私たちの元帥様!」という感性的な見出しが目を引いた。党創建75周年の金正恩の演説に視線を集中した政論は「真に人民に打ち明けたい心の内、真情は『ありがとうございます』の一言に尽きると言われ、こみ上げる激情に目頭を濡らされたわれわれの最高指導者金正恩同志」として感激する。広場全体が涙の海になったと雰囲気を伝えると「その激情の28分間」「永遠に記憶する瞬間」などと描写した。