【コラム】バイデン時代の米国、どこへ向かうのか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.11.19 15:33
20世紀は米国の世紀だった。第1、2次世界大戦を勝利に導いた。ソ連の崩壊で冷戦が終わり、米国は唯一の超強大国に浮上した。しかし米同時多発テロ事件以降、無謀な軍事介入で莫大な資源を浪費した。「対テロ戦争」で国力を消耗し、超強大国の地位もふらつき始めた。そこに中国が急浮上した。米国が主導してきたグローバル化の波は、中国に祝福となった半面、米国の労働者には呪いとなった。特に職場を中国に奪われた低学歴・未熟練白人労働者には災難だった。白人の低所得層が感じる不安と怒りをトランプ大統領が政治的に利用すると、分裂は激しくなり、葛藤は深まった。主流メディアを圧倒するほど強まったソーシャルメディアの威力は、世論の二極化をあおる触媒として作用した。ツイッターはトランプの最も強力な武器となった。
「米国を再び偉大な国に」(Make America Great Again=MAGA)がトランプのスローガンだったなら、「米国を再び尊敬される国に」(Make America Respected Again=MARA)はバイデンのスローガンだ。トランプが毀損した民主主義を復元し、多者主義の原則に基づき国際社会に復帰し、米国が主導してきた自由主義の国際秩序を回復することで、米国の地位と権威を取り戻すということだ。民主主義の価値を共有する同盟国および友好国が参加する「グローバル民主主義首脳会議」の創設を通じて、中国の浮上を牽制するという構想も明らかにしている。