米製薬会社モデルナのワクチンがファイザー・バイオンテックに続き世界の金融市場に陶酔感を与えた。

１６日の証券市場は欧州だけでなく米ニューヨーク市場も一斉に上がった。ダウ平均は１．６％、ナスダック指数は０．８％上昇した。商品市場では金と銀の価格が３％ほど落ちた。これに対し原油価格は約４％上がった。ドルは下がった。

モデルナの株価はこの日９．５８％上がり９７．９５ドルで取引を終えた。時間外取引ではやや押され９６．７５ドルで引けた。

市場の反応は期待感水準を超え歓呼に近い。同時に市場の一方ではモデルナの試験結果を注意深く調べている。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、サム・ファゼリ氏はこの日報告書で「モデルナが公開した効果９４．５％は期待以上」と評価した。「さらに９５事例のうち新型コロナウイルスの病状が重い１１件すべてが偽ワクチンを接種した人から出た」と説明した。

モデルナの９５事例のうち１５事例が高齢層だった。この結果を基に「高齢層にも５０％程度効果があるとみられる」とファゼリ氏は説明した。ファイザーの試験では高齢層の結果は発表されていない。

モデルナがこの日出した中間発表用データは９５事例を基にしている。これに対し米食品医薬品局（ＦＤＡ）の承認を要請する際には１５１事例を基にしたデータを提示する計画だ。

ワクチンは効果のほかにも確認すべき要素が安定性だ。ファイザーだけでなくモデルナのデータのいずれも中間発表という限界を持っている。しかしファゼリ氏は「モデルナのワクチンは第１相と第２相では現れなかった『深刻な水準の副作用』が一部現れることはあった。しかし（他のウイルスワクチンに現れる水準と比較してみれば）大きな問題とみるのは難しい程度」と説明した。

ファゼリ氏は「最悪の状況を基にした試験でもファイザーのワクチンは６５．５％の効果が現れると予想する。これに対しモデルナは７８％水準になるだろう」とした。「最悪の条件」を基にしたＦＤＡの承認条件は５０％だ。

モデルナのワクチン候補の流通条件は氷点下２０度水準だ。これに対しファイザーのワクチン候補は氷点下６０～８０度を維持しなければならない。