【中央時評】トランプのポピュリズム、韓国のポピュリズム
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.11.12 11:45
米国大統領選挙は曲折の末にジョー・バイデン氏が当選した。しかしバイデン氏の圧勝を予想した世論調査の結果は大きくはずれた。米国民のトランプ支持は予想を超え相当あった。トランプ大統領は扇動的な政治的修辞とばらまき政策で大衆の支持を訴えたポピュリストだ。彼は自国優先主義、保護貿易主義、反移民のポピュリズム政策で支持層を結束させた。保守と進歩の対立が尖鋭な米国社会で急進的な変化を嫌う保守層だけでなく、既存の政治家と政党では自分の経済的困難を解決してくれないと考える多くの低学歴白人の支持を受けた。トランプ大統領が新型コロナウイルスの対応を適切にしていたなら再選に成功していただろう。トランプ大統領の企業寄りの経済政策が米国に相当な経済的成果をもたらしたためだ。トランプ大統領の果敢な減税と投資支援で米国は新型コロナウイルス以前まで良好な雇用状況と経済成長率を維持した。4年後の米大統領選挙に第2のトランプが登場しても驚くことではない。
ポピュリストは代議民主主義の有用性を信じない傾向があり、自身は既存の政治制度と戦う権限を大衆から直接受けたと考える。したがって議会、官僚組織、司法など民主主義機構の権威と法治をたびたび損傷する。トランプ大統領もやはり米国社会の分裂と対立を悪化させ民主主義を後退させた。しかし米国は民主主義制度が定着しており、ポピュリズムの被害は少ない。これに対し、民主主義が安定的でない国はポピュリズムで民主主義が大きく後退することがある。中南米のポピュリスト大統領は三権分立の民主主義機構を弱めて野党やメディアなど批判勢力を厳しく弾圧した。さらに便法で任期を延長し大統領職を再任した。