【社説】理解不能な韓国外交部長官の訪米の動き
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.11.11 10:02
外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官が今月8日から米国を訪問中だ。9日公式招待者であるマイク・ポンペオ国務長官との会談に続き、ジョー・バイデン当選者陣営の外交安保担当と会って韓米両国懸案に関する意見を交わし、韓国政府の立場を説明するのが目的だという。この時点での康長官の訪米が果たして適切なのか、疑わしいことこの上ない。
康長官がポンペオ長官など米国政府要人に伝えたメッセージは数日前の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が述べた発言から大きく外れないだろう。文大統領は「トランプ政府との間に成し遂げた大切な成果が次期政府にうまく引き継がれ、さらに発展していけるように最善を尽くす」と述べた。この言葉は、米朝首脳会談を通じて「トップダウン」方式ですべての問題を解決しようとした基調がバイデン政府でもずっと続くことを希望する意味だと解釈することができる。韓国政府は来年の東京オリンピック(五輪)を契機にもう一度金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長を国際舞台に呼び戻し、首脳外交を推進するという構想を持っている。康長官も訪米中にこのような立場を説明したものとみられる。
だがこれはバイデン陣営が予告している韓半島(朝鮮半島)戦略と衝突する可能性がある。バイデン当選者は選挙過程でトランプ-金正恩による3回の会談を「失敗」と評価した。金正恩氏に国際的人望を提供しただけで何の実益もなく、かえって北朝鮮の核能力は急激に高度化されたとバイデン氏は指摘した。バイデン政府発足後はトランプ時期の北朝鮮政策を覆す大転換が予想される。トランプ時期の成果を継続しようという発想はバイデン陣営に通じない可能性が高い。