【コラム】対立増幅器になった韓国政府の不動産政策
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.10.29 10:55
関係がこじれる場合があるので親しい人とは政治や宗教の話はしないようにという。それを概ね守ろうとしているが、今回そういうものがもうひとつできた。家の話、文在寅(ムン・ジェイン)政権の不動産政策の話だ。秋夕(チュソク、中秋)名節の時に家族らと家の話をしてけんかになるところだった。必要な政策だ、そうではない、としながらあちこちで意見が分かれた。特に持ち家のある人に払うのが困難なほどの税金を課すべきなのかをめぐっては意見が激しく分かれた。「良いインフラを享受した代価だ。税金を払う能力がなければ売って引っ越すべき」「収入はそのままなのに意志と関係なく上がった住宅価格に税金をそんなにかけるべきではない。未実現利益だ」のような話が続いて声が高まった。互いに言いたいことだけ言ってどうせ説得できないので険悪な話が出てくる前に場をおさめた。余計な話をしたようだった。
家は生活の拠点であり夢を育て広げる空間だ。家族と安らかに暮らす家を用意するのは普通の人の大部分が持つ夢だ。「助けてホームズ」のようなテレビ番組が人気を呼ぶのはそのような理由からだ。経済的余裕があったり、自分だけの家に対する意志が強ければ直接建てて「○○斎」「○○堂」などと名前を付けたりもする。朝鮮の代表的学者である李退渓(イ・テゲ、1501~1570)は生涯で5回家を建てた。夫人に向けたかたつむりの家という意味の芝山蝸舎、官職を捨て故郷である慶尚北道安東(キョンサンブクド・アンドン)に下ると書斎の性格を持つ寒棲庵と養真庵を作った。弟子が増えると空間確保のため渓上書堂を建て、晩年には現在の陶山書院の中に小さな住居であり教室概念の陶山書堂を作った(チェ・ヒョチャン、キム・ジャングォン著『家は懐かしさだ』)。