【社説】北朝鮮外交官チョ・ソンギル氏の亡命、最低限の事実公開が望ましい=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.10.08 12:00
およそ2年間行方不明になっていたチョ・ソンギル前駐イタリア北朝鮮大使代理が昨年7月韓国に入国して静かに過ごしてきたことが明らかになった。独裁の鎖から脱出した北朝鮮住民が、しかも豊富な対北朝鮮情報を備えた北朝鮮の高位外交官が安全に脱出して定着したというのは幸いなことだ。
チョ氏は父親と妻の父両方とも北朝鮮内最高位級要人でイタリアでぜいたく品の調達などを引き受けてきたという。さらに、彼の韓国行きは金正恩(キム・ジョンウン)政権発足以降初めての大使級人事の亡命だ。あらゆる恩恵を享受してきた特権層まで脱出したという事実は金正恩体制の下の暮らしがどれほど惨めなのかを改めて見せる。そのため、チョ氏の決行が北朝鮮住民たちの間に知らされれば金正恩体制に対する懐疑が広がるしかない。特に、来年初めに予定されている第8回労働党大会を控えて金正恩政権が「80日戦闘」を始めるなど内部の結束を固める状況でその打撃が大きくなる公算もある。