北朝鮮「領海侵犯を警告」NLLを否定…韓国大統領府は反論せず
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.28 07:54
北朝鮮が韓国公務員射殺死亡事件に対して謝罪をしてから2日後の27日、態勢を転換して「領海侵犯」を主張した。韓国側が小延坪島(ソピョンド)で北朝鮮軍の銃撃により亡くなった公務員の捜索作業を始める過程で、自分たちの領海を侵しているとし「即時中断」を要求した。これまで歴代政府が守ってきた西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)に対する否定だ。反面、この日午後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の主宰で緊急安保関係長官会議を終えた後、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は北朝鮮の領海侵犯主張に対する反論を出さなかった。代わりに北朝鮮から反応がなかった共同調査を提案した。
北朝鮮「朝鮮中央通信」はこの日、「南朝鮮当局に警告する」という題名の報道で「南側が25日から多くの艦艇とその他船舶を捜索作戦と推定される行動に動員し、われわれの水域を侵犯している」とし「われわれは南側が新たな緊張を誘発しかねない西海海上軍事境界線の無断侵犯行為を即時中断するよう要求する」と発表した。だが、国防部関係者は「われわれの海域で正常な捜索活動を行っている」と反論した。
これまで海軍・海洋警察がNLLを越えて捜索活動をしたことはなかったため、北朝鮮の「領海侵犯」発表は北朝鮮が引いた自分たちの境界線を越えてきたという主張だ。北朝鮮は1999年、一方的に西海海上警備界線を宣言した。この線は現在のNLLのはるか南側に設定されている。外交消息筋は「北朝鮮が2018年以降、初めてNLL問題を持ち出した」と説明した。