【時視各角】なぜ金大中をまた話すのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.23 12:04
最近、金大中(キム・デジュン)元大統領を長く補佐していた人に会った。この人が明らかにした当時の金大中の考えは21世紀時代の状況から出発する。21世紀は和解の時代であり、韓国国内でも保守・進歩の和解が必要だった時期だ。それで誕生したのがDJP連合(DJ=金大中、JP=金鍾泌連合)だ。冷戦の落伍者となった北朝鮮にも手を差し出し、日本とも緊密な関係を構築した。
反対がなかったわけではない。特に日本文化の開放は強い抵抗にぶつかった。しかし金大中は「文化は高いところから低いところに流れる。日本文化を支配していた我々が恐れる必要はない。過去の韓日関係を復旧しようということだ」と力説した。こうした時代精神は金大中-小渕のパートナーシップで具現された。これをきっかけに2000年代に入るとドラマ『冬のソナタ』を筆頭に韓流文化が日本に広まった。その間、我々も豊かになり、東京秋葉原で象印の炊飯器を買い、ソニーのウォークマンを持つことが素朴な夢だった貧しい時代は過ぎた。それほど古い話ではない。
金大中が大統領に当選した当時、韓国経済は風前の灯火だった。外貨が不足して韓国ウォンが急落し、金利が上がった。5大都市銀行が閉鎖し、30大企業のうち16企業が看板を下ろした。失業者は200万人にのぼり、新規就職は取り消しになった。しかしすぐに反転があった。その原動力は国民的な団結だった。外債償還のために自発的に金の指輪などを出し、韓国は3年で通貨危機の克服に成功した。