【コラム】珍島犬の精子、マイナス196度凍結、韓国版「ノアの方舟」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.23 11:13
窒素タンクのモニターに「マイナス196度」と映し出されている。タンクをいっぱいに満たした窒素が一日0.5インチずつ減っているという数値も見える。慶尚南道咸陽郡(キョンサンナムド・ハミャングン)の家畜遺伝資源センター(以下、センター)凍結資源保管室の風景だ。高さ・直径各145センチの大型ステンレス窒素タンクが5個が配置されている。窒素タンクには牛・豚・鶏・山羊・馬など家畜7種の凍結精液28万4000点余りが保存されている。口蹄疫・鳥インフルエンザ(AI)などの拡散に備えて各家畜の精子(一部受精卵含む)を凍らせている。有事の際には精液を融解し、危機の家畜を生き返らせ、平常時には研究用として使用する。家畜遺伝子バンク、遺伝子ハブ(Hub)に該当する。タンク一つに20万点、つまり合計100万点を保存することができる。
キム・ソンウ・センター研究士は「タンク1本の値段が1億ウォン(約900万円)程度する。窒息の恐れがあり、常に2人1組で出入りしている」とし「今後、200万点まで保管できる空間を確保している」と話した。キム氏は「凍結精液は半永久的で、長距離輸送が可能だ。すぐにお金になるわけではないが、韓国の家畜を守る最後の砦、マジノ線と見ればよい」と説明した。