【コラム】金正恩も電気自動車・半導体工場を現地指導できるようにするには…(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.17 11:50
北朝鮮を正しく知っていく第一歩は表と裏で異なる体制属性を見抜くことだ。労働党一党独裁と世襲統治の弊害はなかなか露わにならない。たまたま行くことになった北朝鮮訪問で徹底的に教育を受けた案内員(監視員)の肩越しに見た華やかな姿を北朝鮮体制の隠された素顔だと考える人も少なくない。労働新聞を読みふけり、机で習った知識を掲げて北朝鮮専門家を気取るケースはいくらでもある。20代の青年・学生時代に主体思想に魅惑されてはまってしまい50歳を過ぎてもその譫妄から抜け出せていない人たちが韓国社会と権力の各所に布陣しているのは残念な現実だ。
北朝鮮のもっともらしい話や演出された映像、宣伝・扇動に引きずられるより、その本心と行間の意味を読み出すこといつになく切実だ。最近水害復旧現場を相次いで訪れ「愛民」メッセージを降り注ぐ金正恩(キム・ジョンウン)の歩みも同様だ。
一昨日、国営宣伝メディアである朝鮮中央テレビで公開された国務委員長金正恩の歩みからは、北朝鮮体制の表裏不同が赤裸々に感知される。台風被害を受けた黄海北道(ファンヘブクド)の江北里(カンブクリ)を訪れた金委員長は、北朝鮮軍が動員された復旧現場を視察した。「(人民軍将兵の)献身と苦労の前に頭が下がった」という金正恩の発言に軍に対する厚い信頼がにじみ出る。「信じるべきものは軍隊だけ」という認識だ。