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菅首相はなぜ安倍氏の弟を防衛相に任命したか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.17 08:09
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16日に発足した菅義偉新内閣で最も目立つのは岸信夫防衛相(61)だ。安倍晋三前首相の弟で、参議院2選・衆議院3選を経たが今回が初めての入閣だ。菅氏はなぜ政権の核心ポストである防衛相に安倍氏の弟を据えたのか。

安倍氏の下で、7年8カ月間、官房長官を務めた菅氏は、就任前から「安倍政権継承」を旗印に掲げていた。今回の岸入閣はこのような意志を示すものであり、自身を首相まで引き上げてくれた「安倍氏への恩返し」という分析がある。

 
テレビ朝日のコメンテーター、後藤謙次氏は「安倍氏は辞任を控えて防衛政策関連の談話を発表するなど意欲を見せた」とし「岸氏を防衛相に起用することによって『敵地攻撃能力』など、安倍氏が完遂できなかった政策を最後まで成しとげるというメッセージを伝えようとした」と話した。

東京のある消息筋も「岸氏の防衛相起用は安倍路線の継続を内外に示す象徴的人事」と評価した。

岸氏は安倍氏の実弟だが、幼少時に母方の実家に養子として迎えられ、母方の祖父・岸信介の姓を名乗っている。先月A級戦犯14人が合祀された靖国神社を参拝するなど安倍氏とほぼ同じ極右路線を歩んできた。

岸氏の起用は米国に送ったメッセージという解釈もある。恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)教授は「米国は短期間に終わる可能性がある菅義偉体制にまだ信頼を持てずにいる」としながら「岸氏を防衛相に据えたことは、安倍氏の下の日本の安全保障路線、強力な日米同盟を継承していくというメッセージとみることができる」と説明した。

岸氏は「日本・台湾 経済文化交流を促進する若手議員の会」を率い、台湾関係法を推進するなど議会内の「親台湾派」としても知られている。李教授は「米中の葛藤状況の中で、日本が台湾側に接近して米国と共に中国孤立政策を取ることになれば、韓国の外交的位置づけが狭まるおそれがある」と予想した。

◆加藤氏、安倍一族と2代にわたる縁

加藤勝信氏(64)が占めた「内閣ナンバー2」官房長官も関心が集中する席だった。当初は河野太郎氏が有力視されていたが、選挙直前に「衆議院解散・早期総選挙の可能性」を取り上げるなど「軽挙妄動」したことで点数が削られたとの分析もある。結局、河野氏は行政改革・規制改革担当相として内閣に残った。

新任官房長官の加藤氏は、安倍氏と親子2代にわたって深い交流を続けている間柄だ。加藤氏は加藤六月・元農林水産相の家に婿として義父の政治基盤を継承した。六月氏は安倍氏の父親である安倍晋太郎氏の最側近だった。安倍氏の母親と加藤氏の妻の母も「姉妹のような関係」として知られている。

派閥色彩が強くないことも一助となった。時事通信は「竹下派に所属しているものの派閥のイメージが薄い」としながら「菅氏にとって『派閥にとらわれない人事』との印象を打ち出すのに好都合という事情ものぞく」と伝えた。

後藤氏は、加藤氏の官房長官起用について「信頼感・安定感があり、首相の領域を侵す発言をしないような人を選んだ」としながら「安倍氏とも極めて近いため、安倍氏の政治的継承という意味もある」と話した。

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