【噴水台】大坂なおみのマスク
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.15 10:53
1968年のメキシコオリンピック(五輪)を象徴する場面といえば、米国の黒人選手が人種差別に抵抗した「ブラックパワー・サリュート」だろう。陸上男子200メートル金メダリストのトミー・スミスと銅メダリストのジョン・カルロスが表彰台で黒の手袋をした手を高く挙げた場面だ。両選手は「オリンピック精神を傷つける暴力的な行為をした」という理由で五輪から追放された。そのオリンピック精神とは「いかなる示威、政治的・宗教的・人種的宣伝も、オリンピックが開催される場所、競技場などで禁止する」という国際オリンピック委員会(IOC)憲章第50条だ。多くのスポーツイベントがこれを金科玉条としている。
2016年8月、米プロフットボール(NFL)のサンフランシスコ・フォーティナイナーズーグリーンベイ・パッカーズのプレシーズンマッチが行われた。試合前の国歌演奏でサンフランシスコのQBコリン・ キャパニックは片膝をついて起立しなかった。キャパニックは「黒人と有色人種を抑圧する国の国旗に敬意は払えない」と語った。キャパニックはその後も座ったままであり、多くの選手が同調した。トランプ米大統領は「彼らを解雇すべきだ」と要求した。キャパニックは2017年に自由契約選手(FA)となったが、受け入れる球団はなかった。キャパニックと彼の行動は忘れられた。