【現場から】成長率・出生率の最悪状況を除外した長期財政見通しに無用論浮上=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.04 11:46
「非現実的な根拠のもとで無責任な数字を投げかける。このような形の見通しは無意味だ」(ソウル市立大のチェ・ウォンソク税務学科教授)。
韓国政府が2日、長期財政見通しを出した。2015年以来5年ぶりとなる。法に定められた義務だ。国家財政法7条は「企画財政部長官は40会計年度以上の期間を対象に5年ごとに長期財政見通しを実施しなければならない」と明示している。長期傾向的財政リスク要因を点検し、財政を今後どう運用すべきか、国の負債をどう管理すべきかを考慮するという趣旨だ。国民の税金を使うことの重みが反映されたものだ。しかし政府の今回の発表は法の趣旨とは距離がある。リスク要因の点検・対応よりもバラ色の包装に向かう姿だ。世間では長期財政見通し無用論が拡大している。
国民が最も疑問を抱いている点は、国内総生産(GDP)に対する国家債務比率が2040年代半ばから低下するという政府の予想だ。政府は現状況維持を仮定し、国家債務比率が2045年に99%まで上がるが、2060年には81%水準に落ちると予想した。根拠はこうだ。「2040年代後半以降は政府の支出が減少し、債務の増加がGDPの増加に比べて少なくなる」(ナ・ジュボム企画財政部財政革新局長)。