「金与正氏の地位強化…住民たちに談話覚えさせるほど」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.08.21 16:19
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「委任統治」が進行中であるという韓国国家情報院の報告は波紋を予告している。妹である金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長などに国政運営に関連した権限を委任しているという国家情報院の報告を記者団に伝えた野党「未来統合党」の河泰慶(ハ・テギョン)議員も「委任統治という言葉があった」と意味を付与した。北朝鮮が使用している用語ではないという但し書を付けたが、国家情報院は準備した報告に委任統治という表現を明記したという。
韓国情報当局が公式に使った委任統治は、ひとまず正恩氏が依然として権力は維持しつつも、代わりに大小の統制権を分野別の責任者に委譲する性格だという解釈だ。金正日(キム・ジョンイル)総書記時代と比較すると、役割委譲がさらに公式的だということだ。当局や北朝鮮専門家が把握したところによると、対南・対米分野は金与正氏が、経済分野は朴奉珠(パク・ボンジュ)国務委副委員長と金徳訓(キム・ドクフン)内閣総理が、軍事分野は李炳鉄(イ・ビョンチョル)中央軍事委副委員長と崔富日(チェ・ブイル)党軍政指導部長(昨年12月新設された総参謀部管掌組織)などだ。与正氏が6月、韓国を敵と見なして南北共同連絡事務所の爆破を主導したことと、朴奉珠氏らが正恩氏に代わって今年上半期に経済分野の現地指導に出たことが委任の代表的事例だという。