【コラム】お金刷って放出すれば良さそうだが結局ベネズエラみたいになる=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.08.18 11:48
「ヘリコプターからお金をばらまく」というハリウッド映画にでも出てきそうな場面は、政府が国民に直接貨幣を与える財政政策を直接的に表現したものだ。学界で通用する厳密な定義の「ヘリコプターマネー」は、中央銀行が貨幣を発行して調達した財源で政府が家計と企業に直接貨幣を与える財政政策をいう。
一般的に政府の景気振興に向けた拡大財政政策は公共事業の執行を通じて総需要を拡大するルートで執行される。この伝統的なルートを通じた財政政策は家計の所得と消費を増大させるまでに相当な時間がかかるだけでなく、家計の所得と消費を増大させる効果が不確実だという問題がある。したがって新型コロナ流行とともに国民の生存が脅かされる緊急で衝撃が深刻な状況で財政支援の時差を短縮し効果を最大化する案は政府が直接家計と個人に貨幣や信用で購買力を伝えることだ。
新型コロナウイルス発生後、香港政府は2月26日に18歳以上の香港住民に1人当たり1万香港ドルを支給することにした。米国は6月まで1億5900万人に、成人は1200ドル、児童は500ドルずつ総額2670億ドルを支給し、現在米国政府は第2弾支給の可否を議会と協議している。問題は財源だ。予想できない大規模緊急災害支援金の財源は財政赤字の急増を招くほかはなく、財政赤字は国債の発行を通じて引き当てられる。すなわち伝統的な財政政策の枠組みで緊急災害支援金は財政赤字と財政健全性悪化を招くため、ヘリコプターからばらまき続けるお金を調達するのに限界がある。