【コラム】「不動産」で揺らぐ文在寅政権の超越的権力(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.08.10 13:10
青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)秘書室首脳部の一括辞表提出は衝撃的だ。ソウル蚕室(チャムシル)のマンションを処分するジェスチャーだけを見せて物議をかもした金照源(キム・ジョウォン)民情首席秘書官を含む首席秘書官3人は首都圏に複数の住宅を所有している。不動産をめぐる偽善に怒った民心は、超越的な大統領の権力を揺るがしている。
失政の責任は不動産対策を主導した金賢美(キム・ヒョンミ)国土部長官をはじめ、金尚祖(キム・サンジョ)政策室長、洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相にあるが、秘書室の参謀だけが大逆罪人となった。盧英敏(ノ・ヨンミン)秘書室長の一言が禍根となった。自らもソウル江南(カンナム)に2戸のマンションを所有していた盧室長は昨年の12・16対策の直後、「複数の住宅を所有する青瓦台参謀は一戸だけを残して処分すべき」と勧告した。しかし8人がこれに応じず、民心の怒りは青瓦台の高い壁を越えて激しくなった。
文大統領としてはあきれるだろう。文大統領は生涯、欲のない生活を送ってきた。司法研修院修了成績は2位だったが、情報機関の「面接」で判事任用が拒否されることを知りながらも良心を守るために「(反独裁デモ当時の)考えは変わっていない」と述べた。その彼を金・張法律事務所が高額年俸を提示しながら海外留学までさせる条件で迎えようとしたが、これを拒否して苦労が多い人権弁護士の道を選択した。青瓦台に入る前は弘恩洞(ホンウンドン)の古いアパートで暮らした。国政に無限の責任を負う参謀の偽善は全く理解できないだろう。