【コラム】また穴が開いた警戒態勢…言葉だけの「特段の対策」=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.08.05 13:26
ベトナム戦争中だった1967年2月14、15日、韓国海兵隊1個中隊がベトコン軍・ベトコン1個連隊を退けた。「チャビンドン戦闘」の勝利は警戒をする哨兵から始まった。2月14日夜、激しい風雨の中で聴音哨は茂みの中を動く音を聞いた。聴音哨は基地の外で敵の接近を早期に警報する役割を担う。聴音哨の報告で交戦が始まった。敵は翌日早朝、本格的に海兵基地を攻撃した。しかし聴音哨は今回も敵が密かに接近するのを把握した。2度も奇襲に失敗した敵は、海兵隊の激しい反撃を受け、200人の死者を残して逃げていった。
戦争で警戒が重要だという事実はチャビンドン戦闘だけの教訓ではない。世界の戦争史では警戒が勝敗を分けた戦闘が多い。相次ぐ韓国軍の警戒失敗事故に対して憂慮が深まる理由だ。
韓国軍は昨年6月、北朝鮮の木船が江原道(カンウォンド)三陟(サムチョク)港にゆうゆうと入ってきたが、これに全く気づかなかった。当時、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官が国民に謝罪し、朴漢基(パク・ハンギ)合同参謀議長は厳重警告を受けた。今年5月には中国から小型ボートに乗って忠清南道(チュンチョンナムド)泰安(テアン)に密入国する事件が発生した。密入国した中国人は陸地で捕まった。そのたびに軍当局は「特段の対策」を約束した。しかし先月、脱北者男性K(24)が仁川市(インチョンシ)江華(カンファ)の鉄条網を通過して北朝鮮に渡った。