【コラム】活気を取り戻した韓国プロ野球、ファンがやるべきこと
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.07.28 15:17
#1.ハンファ・イーグルスのノ・テヒョン(25)は先月13日、「乱世の英雄」に生まれ変わった。大田(テジョン)での斗山(ドゥサン)ベアーズ戦の9回裏、二死一、三塁からサヨナラ安打を放った。ハンファは悪夢の18連敗に終止符を打った。ノ・テヒョンは2014年、2次ドラフト第10ラウンドという最終順位で指名を受けた。入団7年目の今年、初めて1軍の舞台を踏んだ。ノ・テヒョンは翌日の電話インタビューで「いつかハンファのファンに自分の名前を知らせたかった。このような日がくるとは信じられない」と感激に浸った。ある選手はデビューと同時に主人公になる。ノ・テヒョンはあまりにも長く夢を見てきた。ノ・テヒョンは「プロ野球選手なら誰でもファンの応援の中でプレーしたいという思いがある。過去6年間はその機会をつかめなかった。今後もっと頑張ってファンの記憶に深く残りたい」と語った。
#2.フューチャーズ(2軍)リーグの選手はサウナを嫌う。真夏の昼の試合の暑さは彼らにとって事実上のサウナだ。球場のライトをつければ電気料金が100万ウォン(約9万円)かかる。必ず日が沈む前に試合を終えなければいけない。その彼らが話す2軍の最もつらい点は「ファンがいないところで試合をする」ことだ。2軍のオールスター戦でMVPに選ばれたことがあるロッテ・ジャイアンツのチョン・ジュンウは「2軍はホームランを打っても歓呼する人がいない。エラーをしても非難する人がいない。ファンのヤジさえも懐かくなることがある」と語った。
#3.プロ野球選手にとってファンはこのような存在だ。あるファンは選手に劣らないストーリーで感動を与える。起亜タイガースが光州(クァンジュ)無等(ムドゥン)球場を使用していた時代、70代後半のナ・スンナムさんは「三振ハルモニ(=おばあさん)」と呼ばれて有名だった。相手チームの打者に向かって「三振!三振!」を叫ぶが、その声は成人男性よりも大きく響いた。80歳を超えるファンのイさんは暑くても雨が降っても釜山(プサン)社稷(サジク)球場の観客席に座っている。スーツ姿で30年間、1番前の席に座ってチェ・ドンウォンの奪三振と李大浩のホームランを見守った。