【社説】脱香港企業誘致に韓国政府はただ手をこまぬいているつもりか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.07.23 10:48
グローバル企業の脱香港が続いている。香港国家保安法が施行され、ドナルド・トランプ米国大統領が香港に付与していた特別待遇を廃止した余波だ。アジア金融の中心地だった香港の企業が動くということは、巨大資本が一緒に移動するという意味だ。これを誘致すれば雇用と投資資本を同時に拡充し、新型コロナウイルス(新型肺炎)で沈んだ経済に活力を吹き込むことができる。シンガポール・台湾・日本などアジア各国が香港を離れようとする企業誘致に総力を挙げてあたっている理由だ。日本は「国際金融都市・東京」をモットーに掲げた。脱香港金融家に対してビザを免除することはもちろん、事務室まで無償で支給するという。シンガポールと台湾は香港の証券会社を誘致するなどの成果を上げている。
韓国は静かだ。ニューヨーク・タイムズが香港にあったアジア地域デジタルニュース本部の一部をソウルに移転させるといったニュースのほかには伝えられた動きはない。昨日の中央日報の報道によると、「香港の状況に関連した戦略を検討または推進しているものはない」というのが政府の立場だ。わずか2カ月余前、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任3周年の記念演説で「海外先端産業と投資を誘致するために果敢な戦略を推進する」と述べたのとは異なる状況だ。ただ寝転んで柿が落ちてくることだけを待っている格好だ。
これでは脱香港企業の誘致を期待するのは難しい。韓国は周辺国に比べて起業に対してやさしい国ではない。米国ヘリテージ財団が毎年発表している「経済自由指数」で韓国は25位だ。シンガポール(1位)、オーストラリア(4位)、台湾(11位)などとは競争にならない。企業をがんじがらめに縛り上げる網の目のような規制、コンクリートのように凝り固まった労働市場、融通性のない週52時間勤労制、正常だった配車サービス「TADA」を一日で営業できなくする朝令暮改式の政策不安定性、高い法人税率など、障害物は一つや二つではない。