【コラム】アゲインWTO…韓国、3度目の挑戦
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2020.07.18 12:06
スイス・ジュネーブは22の国際機関の本部が位置する国際都市だ。このうちレマン湖が曲がって見える美しいところにある世界貿易機関(WTO)は「世界で最も風景が良い職場」として噂になっている。このWTOの建物3階の会議室は「グリーンルーム」としてよく知られている。内部の緑色のカーペットと壁紙が華麗であることからこう呼ばれている。この会議室で世界の通商懸案に関するあらゆる議論と交渉が行われるが、そのすぐ隣が世界貿易秩序を掌握する事務局長の執務室だ。WTO全盛期時代の事務局長は大物の主要貿易国代表らをグリーンルームに「集合」させ、「〇〇ラウンド」と呼ばれる国際通商規範の基礎作業を総指揮した。
この席に韓国が挑戦する。韓国は過去に事務局長選挙に2回挑戦して失敗した「苦い」経験がある。2012年に当時の朴泰鎬(パク・テホ)通商交渉本部長が出馬し、9人の候補と競争して第2段階まで進んだが、最終第3段階の壁を越えることができなかった。1994年の初代事務局長選挙にはキム・チョルス商工部長官が韓国人で初めて国際機関の首長に挑戦したが、イタリア通産相に劣勢だったため途中放棄し、代わりに事務次長に任命された。
今回出馬した兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は米国留学時代に弁護士資格を取得した通商のスペシャリストだ。3年間ほど在中大使館で参事官として勤務し、中国に対する理解が深い「特異」な経歴の持ち主だ。2007年の韓米FTA交渉取材現場で彼女に会ったことがある。当時、外交通商部の新参課長だったが、韓国が守勢だったサービス・競争分科長を務め、根気強く交渉をしたことを覚えている。