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「打倒韓国」叫ぶ中国半導体企業…本当にサムスンに勝てるのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.07.17 15:59
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「縮地法なのか」。「地をたたんで同じ距離を短い時間で移動する道術」のように、中国の半導体技術が世界レベルにもう追いついたという声が出ている。もちろん中国が明らかにしたことだ。

データ保存の用途で使用される積層NAND型フラッシュメモリー分野がそうだという。電源が切れても資料がそのまま残り、データの保存と削除が自由なNAND型フラッシュメモリーは、スマートフォン保存装置やソリッドステートドライブ(SSD)などに使われる。

 
主人公は中国の長江メモリー・ テクノロジーズ(YMTC)だ。YMTCは4月、128層NAND型フラッシュメモリー「X2-6070」サンプルを公開した。昨年64層NAND型フラッシュメモリー製品の量産に成功したYMTCは、今年末ごろ128層製品の量産が可能だと宣言した。2016年に設立された企業が4年で世界最高水準の技術を確保したということだ。

◆32層(2018年)→64層(2019年)→128層(2020年末)?

NAND型フラッシュメモリーはチップの中に積み上げる層数が多いほど容量が増え、活用度が高まる。128層は現在まで出てきた世界最高層数NANDだ。業界1位のサムスン電子が昨年8月に量産を始めた。SKハイニックスは同年6月に量産技術の開発を完了した。

中国の言葉が事実なら、韓国との半導体技術格差は一気に1年に縮まるということだ。YMTCが32層の量産に入ったのが2018年であることを考慮すると、わずか2年で最高水準に達したということになる。このような急速な発展には理由がある。

YMTCは中国半導体崛起の象徴だ。同社の前身は湖北省武漢を基盤とする国有企業XMC。中国企業の紫光集団が買収し、2016年にYMTCとして再設立した。2015年に中国政府は半導体崛起政策と半導体第1期ファンド(国家半導体産業投資基金)を準備した。半導体技術の自立のためだ。その一環としてYMTCも設立された。その後、YMTCは紫光集団の全幅的な支援を受けた。

紫光集団は精華大が1988年に設立した精華大科学技術開発総公司が前身。業界は紫光集団を中国政府傘下の公企業とみる。YMTCへ向かう紫光集団の支援は事実上、中国政府がするということだ。

「事実上、YMTCはメモリー半導体1位の韓国、いや『打倒サムスン電子』『打倒SKハイニックス』の先鋒だ」。

2018年に中国の習近平国家主席がYMTC武漢工場を訪問し、これをきっかけに中国国営メディアがYMTCを特別報道した理由もここにある。

◆世界最高水準? 疑問を抱く業界

しかし業界は中国の発表をそのまま信じているわけではない。いくつか理由がある。IT専門メディアのテックノードは「半導体産業で最も重要なのは収率」と強調する。収率は生産品全体のうち合格品の比率をいう。収率が高いほど市場に出せる量が増え、利益が拡大する。

台湾市場調査機関トレンドフォースのエイブリル・ウ研究員はテックノードに「YMTCは収率と製品の安定性の側面で他の主流メモリー製造企業より遅れている」と評価した。技術を開発したと宣言するのは意味がない。製品が信頼されて市場で売れてこそ本物だ。

反中ムード、米中貿易戦争もYMTCの足かせになるかもしれない。ウ研究員は「YMTCの最大の困難は製造装備の調達」とみている。半導体製造装備は誰もが生産できるわけではない。ウ研究員は「オランダのダッチASMLや米国のラムリサーチが製造する数十億ドルの高価半導体生産装備は、新型コロナの影響で数カ月も供給が遅れている」とし「米国政府が該当装備の中国供給を制裁すればYMTCには大きな打撃」と分析した。

それでも安心はできない。中国の意志は強い。中国政府は「中国製造2025」を通じて半導体を育成し、2025年までに半導体の自給率を70%まで高めるのが至上の目標だ。現在の自給率は15%水準だが、莫大な投資で希望が見える企業に無制限に支援している。

サムスン証券のファン・ミンソン首席研究員は「中国は半導体開発を国家的課題に選定し、参加人材も国の使命と考えて速度戦をしている」とし「あたかも韓国の半導体参入当時に見られた情熱のようだ」と評価した。

中国は韓国の道を追っている。韓国は半導体不毛地だった1980代、国家支援と企業の情熱で戦線に立った。これを基礎に当時世界最高レベルだった日本の半導体技術をさまざまな経路でベンチマーキングし、その後、急速成長で日本を抜いて世界トップに浮上した。しかもNAND型フラッシュメモリーはもう一つのメモリー半導体のDRAMに比べて技術的な障壁が低い。中国が今後もNANDに集中投資を続ける確率が高い理由だ。核心は優秀人材だ。

不足した技術を埋めるのに最も必要なのは結局、人だ。ファン・ミンソン研究員は「半導体の後発企業は開発の難度が高まり、投資資金が増え、先導企業を追撃するのが難しい。格差を乗り越えるために経験のある人材が絶対的に必要」と分析する。

韓国半導体人材の中国流出が減ったとはいえ、依然として中国は韓国の人材を狙っている。最近、張元基(チャン・ウォンギ)元サムスン電子社長が中国ESWIN(エスウィン)に行こうとしたが、世論の批判を受けてこれを撤回した。業界では中国がこのほかにも特許盗用や自国政府の税制支援などを基礎に「ファストフォローイング」戦略に出るという見方が多い。

特別な方法はない。韓国が生きる道は技術の超格差を維持することだけだ。サムスン電子は今年下半期、160層以上の第7世代垂直構造NAND(V NAND)を公開するという。さらに176層NAND開発にも取り組んでいる。SKハイニックスも176層4次元(4D)NANDを研究している。

ファン研究員は「韓国の技術開発が遅くなる場合、格差は縮まり、韓国がシェアを失うことも考えられる」とし「コストの差を維持または広げる先行技術の開発が最優先課題」と助言した。

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    YMTCが生産すると明らかにした128層NAND型フラッシュメモリー。[写真 YMTC]
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