【コラム】文大統領が話さない半分の不都合な真実(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.07.14 14:16
韓国の国民所得が3万ドル割れの危機を迎えている。1人あたりの国民総所得(GNI)は2018年の3万3434ドルから2019年には3万2047ドルに減少し、今年は3万ドルを下回る雰囲気だ。国民所得を左右する成長率・為替レート・物価上昇率のうち成長率と為替レートの影響が大きい。実質経済成長率は2017年3.2%、18年2.7%、19年2%と3年連続で大幅に下落した。国際通貨基金(IMF)は今年の韓国経済の成長率を-2.1%と予想した。成長板が閉じてしまったのだ。さらにウォン安ドル高が1ドル=1220ウォン台まで進めば国民所得3万ドルが崩壊する。所得主導成長という「実験」で所得も減り、成長も消えてしまったのだ。
文在寅(ムン・ジェイン)政権の処方は一つ、現金給付だ。すでに第3次補正予選に続いて第4次補正予算にも言及され、財政拡大に依存している。しかしこれはモルヒネやステロイドを投与する応急処方と変わらない。根本的な治癒策にはならない。むしろ時間が経つほど中毒になり、より強いモルヒネとより多くのステロイドを処方しなければならない。問題は副作用だ。人は無感覚に向かい、金融市場の反応も弱まっている。無差別現金給付は麻薬と変わらない。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時の青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)は2004年にこう警告した。「経済指標の恣意的な引用と解釈は経済に対する誤った処方につながるおそれがある」。しかし文在寅政権は自分たちに有利な指標ばかりを引用し、政治的に甘い解釈を付けている。青瓦台は「大統領が良い指標を積極的に発掘して広報すべきだと指示した」とも伝えたことがある。経済広報があふれ、「経済指標を政治的に搾取する」という批判も出ている。次の3つの統計だけを見ても、文大統領は不都合な真実は口にしていない。