【BOOK】「私は慰安婦ではない」…12歳の東南アジアの少女も日本軍の性のおもちゃ
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2020.07.12 11:08
主観的「意見」と客観的「事実」が混在する時、写真は「事実」の証拠として作用する。写真家の視線により証拠総量は変わるが、ドキュメンタリー写真の大部分は芸術よりは記録と証拠に忠実なメディアだ。こうした理由からドキュメンタリー写真はわれわれが目を背けていたり見ることができなかった事実に沿って不便な感情をも与える。本には老いて病んだおばあさん21人の写真が登場する。写真111枚が入った303ページの本は一見すると写真集だ。ページをめくるたびに写真がほぼ毎回登場する。関連情報がない他人にとってはもしかしたら意味もない写真だ。
著者の安世鴻(アン・セホン)は写真に話を加えた。おばあさん21人が直接体験した話だ。まさに第2次世界大戦当時、日本軍に「強姦」された女性の話だ。おばあさんの国籍は日帝が侵略した韓国・中国・フィリピン・インドネシア・東ティモールなどアジア地域だ。特にインドネシア・フィリピン・東ティモール出身のおばあさんが住む所はほとんどがその国の奥地だった。日本軍はここまで入ってきて銃刀で脅し、数え年で12歳(小学校5年生にすぎない)の少女まで蹂躪した。連合軍の反撃で補給が途絶え、「突撃一番」と呼ばれたコンドームの配給が中断した。すると日本軍は妊娠しないというあきれた理由で生理が始まっていない幼い少女を性的奴隷に動員した。
道を歩いていて、家に1人でいて、両親とともにいても強制的に連れて行かれた。両親を殺すと脅され(東ティモール)、1歳の幼い娘が殺されるかと思って(中国)、されるがままになった。日本刀で太ももを刺され(インドネシア)、振り回した刃物で耳を切られた(フィリピン)。「私は犬や馬とまったく同じでした」(東ティモール)という話のようにおばあさんは一種の戦利品として生きた。