【グローバルフォーカス】ボルトン氏の主張は果たして真実か
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.07.06 11:15
ジョン・ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の回顧録『それが起きた部屋』が出ると、青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は「事実を大きく歪曲した」と批判した。回顧録でどの部分が歪曲されたのだろうか。
青瓦台の気分を害した内容の一つは、おそらく2018年のシンガポール米朝首脳会談が金正恩(キム・ジョンウン)総書記(国防委員長)の発想でなく鄭義溶(チョン・ウィヨン)室長の提案だったと主張した部分だろう。ボルトン氏は「このすべての外交的な大混乱は韓国の創造物」と記述した。ボルトン氏は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「金委員長は完全な非核化を約束し、これは信頼できる」とトランプ大統領に伝え、これに自分は強く反対したがトランプ大統領が応じた、と主張した。
この部分は事実を歪曲したのだろうか。米朝首脳会談がある程度は韓国の仲裁で実現したということは広く認められている事実だ。また「炎と怒り」など険悪な言葉が交わされた朝鮮半島の雰囲気を最高級外交会談に転換させた文大統領の能力は、韓国民主党には莫大な政治的資産となり、青瓦台が誇る功績でもあった。しかしボルトン氏がこの「すべての」外交を韓国の創造物と表現したのは誇張であるようだ。文在寅政権が2018年の米朝首脳会談に活気を吹き込んだが、北朝鮮はクリントン政権当時から米国大統領との直接取引を望んでいた。