仁川空港で4カ月間野宿、体調悪化で病院搬送…ベトナム系米国人の事情
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.07.04 13:42
先月25日、午後3時ごろ、仁川(インチョン)国際空港第1ターミナル3階。巡察中だった仁川空港警察団のノ・ユングン警衛は椅子で横になっている外国人男性Aさん(48)を発見した。Aさんが動かないのに気づいたノ警衛はAさんに近づいた。Aさんは真っ青な顔色で震えていた。服は尿で濡れていた。状態が深刻だと判断したノ警衛は救急車を呼び、Aさんは仁荷(インハ)大病院に搬送された。Aさんは新型コロナウイルス検査で陽性判定を受けるかもしれないと思って心配になった。当時、Aさんの体温は37.9度だった。検査の結果、Aさんは全身衰弱であることが分かった。新型コロナ検査では陰性判定を受けた。
◆入国制限でベトナムに行けず
Aさんの事情はこうだ。仁川空港警察団などによると、ベトナム系米国人のAさんは2月に韓国に入国した。米国からベトナムに行くための経由地に韓国を選択した。しかし新型コロナの感染拡大でベトナム入国が制限され、計画に支障が生じた。Aさんは入国制限が解除されるのを待って空港で野宿を始めた。野宿が長くなり、所持金がなくなった。その後、空港の飲食店で客が残したものを食べて追い出されることもあった。パン屋で食パン4個を盗んだりもした。窃盗疑惑で立件されるなどAさんの生活は急転した。