韓国政府は３０日に中国全国人民代表大会（全人大）が香港に対する統制を強化する「香港国家安全維持法案」を通過させたことに対し、「香港が一国二制度の下で高度な自治を享有し発展を持続していくことが重要だ」と明らかにした。

外交部関係者はこの日、「中国が香港国家安全法を採決、通過させたことに注目しており、関連動向と今後の影響に対して関心を持って鋭意注視している」としてこのように明らかにした。

同関係者は「米中両国間の安定した友好協力関係は北東アジア地域と世界の平和と繁栄のために重要だ。米国と中国が協力関係を維持しようとする外交的努力を支持する」と強調した。

外交部のこの日の立場と関連、香港国家安全法通過をめぐり米国と中国が正面から衝突し韓国に新たな外交的負担となる状況で「折衝的方策」を模索したものとの分析が出ている。

成均中国研究所の李熙玉（イ・ヒオク）所長は、「とても慎重に実利を選んだメッセージ。香港が中国の主権の範疇に属するということを認めながらも『香港人を通じた香港支配』と『高度な自治権享有』などの基本問題に対しては原則的な立場を維持したもの」と評価した。

これに対し、日本はすぐに懸念する立場を出した。菅義偉官房長官はこの日の定例記者会見で「国際社会や香港市民の強い懸念にもかかわらず、同法が可決されたなら、香港と緊密な経済関係と人的交流がある日本にとって遺憾だ」と明らかにした。

菅長官は「国家安全法の制定は一国二制度の原則に対する国際社会の信頼を損ねるものであり、関係国と連携して適切に対応していきたい」と付け加えた。