【時視各角】ボルトン不在でもハノイ米朝会談は失敗だった
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.30 09:28
米国の閣僚のうち現在そのポストが最も不安定なのはエスパー国防長官であるようだ。トランプ大統領が人種差別反対デモに連邦軍を投入する考えを明らかにした直後、テレビで会見して正面から反論したからだ。激怒したトランプ大統領は直ちに解任すると述べたが、参謀陣がなんとか引き止めたという。結局、連邦軍の動員はなくなった。閣僚が所信を述べて大統領に反対し、大統領が考えを変えたりすることもあるのが米国のシステムだ。大統領の一言で176議席の与党議員とファンダムで団結した支持者が列をつくる韓国の現実では理解しがたい。
ボルトン前米大統領補佐官の回顧録もこうした観点で読むべきだと考える。「ボルトン氏が私心で書いた文をどう信じるのか」という反応もあるが、ボルトン氏の主観的記述を除けばファクトの構造が描かれる。我々がこの本を注意深く読むのは、文在寅(ムン・ジェイン)政権の仲介外交がなぜ破綻の直前まできたのか、ハノイ会談はなぜ失敗したかを省みるためだ。実際、韓国政府もすでに答えを知っている。
「トランプ大統領と同意したが、米国はトップダウン方式ではなかった。下が反対して実現しなかったのは残念だ」。北朝鮮が開城(ケソン)南北共同連絡事務所を爆破した17日、文在寅大統領が青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)で元老にした発言を朴智元(パク・ジウォン)元議員が伝えた。任鍾ソク(イム・ジョンソク)前大統領秘書室長は4月30日、さらに具体的な証言をした。「我々がトランプ大統領に注力したのは、彼のスタイルが米国国内の多くの反対を突破するのではと考えたからだ。トランプ大統領が内部の激しい反対を突破して何かをしようとした点を評価しなければいけない。トランプ大統領の態度には十分に期待を抱いてみる必要があった」。