【社説】韓国政府の「北非核化意志」過大評価が破局を呼んだのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.22 11:43
ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の回顧録が連日、波紋を呼んでいる。回顧録は「2018年3月27日に板門店(パンムンジョム)で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会談した文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、翌日、トランプ大統領に『金委員長が豊渓里(プンゲリ)核実験場の閉鎖を含む完全な非核化を約束した』と伝えた」としている。また、文大統領は「金委員長に1年以内に非核化をするよう要請し、金正恩が同意した」とトランプ大統領に伝えたと、ボルトン氏は振り返った。ボルトン氏は「文大統領のこうした『過度に楽観的な観点』とは対照的に、安倍晋三首相はトランプ大統領に『金正恩委員長を信じてはいけない』と述べた」と明らかにした。これが事実なら、文大統領と政府は北朝鮮の非核化意志を拡大解釈し、米国に誇張して伝えた可能性を排除できない。
ボルトン氏によると、文大統領は「米朝首脳会談を板門店で開き、後続として韓米朝首脳会談を開こう」と強く要求したが、金正恩委員長がシンガポールでの開催を望んだことで退いたという。ボルトン氏はシンガポール会談前後に集中的に議論された「終戦宣言」についても「もともとは北朝鮮の構想だと思っていたが、後に文大統領の統一イシューから出てきたのではという疑心を抱いた」と伝えた。
ボルトン氏のこうした主張を総合すると、シンガポール米朝首脳会談の前後の北核外交は「北朝鮮非核化」という根本的な目標の代わりに、文大統領の「統一イシュー」とトランプ大統領の誇示的イベントに傍点が打たれていたようだ。ボルトン氏が「米朝外交は韓国の創造物」とし「文大統領が米朝双方に非現実的な期待を作った」と批判したのは、これと無関係でないとみられる。