半導体の遅い回復、原油安、米中対立…韓銀「ことしの輸出、きわめて苦境」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.11 15:36
韓国銀行(以下、韓銀)が新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)が収束しても、海外旅行の敬遠、保護貿易基調の強化、増えた失業の影響などが景気回復を遅らせするだろうという見通しを出した。新型コロナを論外としても韓国経済が直面している状況は容易でないという診断だ。特に輸出は遅い半導体の回復と原油安、米中葛藤の三重苦の中、当初の予測値に大きく及ばないと予測した。
韓銀は11日、金融通貨委員会を開き、このような内容を盛り込んだ通貨信用政策報告書を議決した。通貨信用政策報告書とは、通貨信用政策決定の内容と背景、今後の政策の方向などをまとめて国会に提出(年2回以上)する報告書だ。今回の報告書は新型コロナの世界的感染拡大の影響、米中貿易紛争関連の不確実性、国内外の金融市場の現状と展望などがまとめられた。
韓国銀行はまず、新型コロナ感染拡大の速度がやや鈍化し、世界経済が下半期から改善傾向を見せると予想した。ただし、回復速度や反騰の時期の予断は困難とみた。確実なワクチン・治療薬の開発までは経済活動の再開と萎縮を繰り返しながら景気回復に変動がある可能性があるという意味だ。全体的な成長不振の見通しと低い物価上昇圧力などを考慮し、通貨政策の緩和基調を維持していくというのが韓銀の立場だ。5月末の金融通貨委員会で明らかにした立場と同じだ。韓銀は今年の3月と5月の2度にわたって基準金利を1.25%から0.50%までの合計0.75%ポイント引き下げた。