【社説】対北朝鮮ビラを理由に脱北者を侮辱してはならない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.11 09:21
対北朝鮮ビラ散布をめぐる攻防が加熱し、北朝鮮だけでなく韓国内部の脱北者攻撃と侮辱が度を越えている。今回の問題は4日に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長の談話から始まった。金与正は脱北団体の対北朝鮮ビラ散布を猛非難し、「(南朝鮮当局は)くずの茶番劇を阻止させる法律でも作るべき」と要求した。
北朝鮮の毒気混じりの暴言はこれにとどまらなかった。10日の労働新聞に紹介された群衆集会には「民族反逆者であり人間のくずである脱北者を裂き殺そう」という殺伐としたスローガンまで登場する。北側の扇動がそうだとしても脱北者に向けられた一部与党議員と親北朝鮮団体の難詰は耳を疑わせる。「対北朝鮮ビラ散布制限法」を発議した金弘一(キム・ホンイル)議員は「脱北者団体の対北朝鮮ビラ散布の純粋性を疑ってみなければならない」と指摘した。「対北朝鮮ビラは金儲けの手段にすぎない」という主張も出ている。対北朝鮮ビラ散布団体の具体的な不正容疑が出ていない状況でこのように道徳性に傷を付ける発言は自制するのが当然だ。